中ノ沢観音堂

中ノ沢観音堂_1

この堂の由緒については、大同2年(807)年会津仏教の始祖徳一上人によって寺院が開かれたと言い伝えられ、寛永年間にこの地にあった真言宗中沢山正光寺が廃絶したと新編会津風土記には記載されています。その後は光明寺に属し、昭和28年旭田寺となり、現在は観音堂を残すのみとなっています。

建立時代について

観音堂の建立年代については、棟札、文献資料等明らかなものはありませんが、様式手法等から室町時代初期頃と考えられています。解体修理の際、柱の礎石に焼けた跡があり、焼土層及び旧礎石跡も発見されたこと、平安時代の作と推定される一木造の本尊「聖観音立像」が損傷を受けていること、皿の脇侍不動明王の光背裏面に嘉慶2年(1388)の年号を含む墨書銘があることなどから、平安時代に建立された観音堂が消失したのを受け、室町時代の初期頃、旧堂と同じ規模に再建され、脇侍不動明王はその際に造立されたもと考えられています。

建築様式について

観音堂は方三間(1辺あたり6.4メートル)、寄木造、茅葺き(保存修理後は銅板葺き)で、四周に榑縁(くれえん、敷居と並行に貼られた縁側)を回しています。堂内は四天柱を建てて中央に一間四方の内陣を設け、天井も格縁天井とする一方、外陣は天井を省略した化粧屋根となっています。内陣の奥には高覧のついた須弥壇を造作し、その奥に厨子を突き出した形で造作しています。柱上には隅柱の上に舟肘木があるくらいで、ごく簡素な和洋の三間仏堂となっています。なお、昭和35年に国指定重要文化財となった後、昭和37年から実施された保存修理によって、屋根以外は内外とも建立当初の原型に復元されています。

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更新日:2023年03月15日